タコライスの歴史

今から30年以上前、沖縄県金武町にあるキャンプハンセン(米軍基地)のゲート前に飲食店街が広がっていました。

客層は米兵がメインだったので、アメリカで好まれる料理を出す店が多かったのですが、その中のひとつに、メキシコ料理を専門とする「パーラー千里(せんり)」というお店がありました。その創業者である儀保松三さんが1984年、お店の創業とともに生み出したのがタコライスです。

メキシコにはもともとタコスという郷土料理がありますが、当時の日本は円高で、メインの客層であった米兵が外食を控えるようになったことから、コストパフォーマンスの良い新メニューとしてタコライスを考案したと言われています。

いわばメキシコ料理を日本風にアレンジしたものですが、これが予想以上に好評となり、後にチェーン系列店となる「キングタコス」の人気メニューとして沖縄本島各地に広がっていきました。

その人気は飲食店だけにとどまらず、1990年代からは学校給食にも採用されるようになり、沖縄県民にとってはとても身近でポピュラーな食べ物になったというわけです。

タコライスのベースはメキシコ料理のタコスですが、挽き肉やタマネギ、調味料などを加えて作ったタコミートをはじめ、チーズやレタス、トマトなどの材料を一緒くたにしてご飯にのせるという調理法は、いろいろな材料を一緒に炒め合わせて作る沖縄の伝統的な調理法「チャンプルー(混ぜこぜにする)」に通じるものがあり、沖縄ならではの食文化を象徴した食べ物と言えるでしょう。

タコライス発祥の店となった「パーラー千里」は、2015年6月29日、惜しまれながらも閉店し、創業31年の歴史の幕をおろしましたが、パーラー千里が生み出したタコライスは今もなお、沖縄B級グルメの王様として地元の人はもちろん、県外の観光客からも高い人気を誇っています。

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